専門的な医療知識・技術で患者さんに最適なケアを提供しています
病棟で患者のケアを担当

患者を診察する医師の指示に従って検査や治療の手伝いをするのが、看護師の役割と思っている方も多いかと思います。

医療の専門的な知識と技術を有する看護師は、注射や点滴、包帯やガーゼの交換など、確かに医師の診療をサポートすることも重要なお仕事ですが、最も患者さんに接する機会の多い看護師には、独自の目線で患者さんの生活の援助や看護を行う役割も担っています。

食事の用意や介助、口腔ケア、体の汚れを取り除く清潔ケアも看護師の大切な仕事です。体をきれいにすることは患者さんのストレスを低減させるだけでなく、感染予防という大事な一面もあります。体を自由に動かせない患者さんには、入浴やシャワーの介助、体調に合わせてベッドの上で体をきれいに拭いたり、足浴をします。時間の限られた回診では聞けなかった患者さんの不安や悩みが聞けることもあります。

病気や怪我で入院しても、体を清潔に保ち、食事をキチンととり、安心して眠ることができる―。このような人としての基本的な生活を守ることで、患者さんの病気に立ち向かう気持ちや社会復帰への思いを支える役割を看護師が果たしているのです。また他の医療者に比べて患者さんと一緒にいる時間が長いことから、容態の変化をいち早く察知し、対応することも看護師に求められています。

ご存知の方も多いかと思いますが、以前は現在の「看護師」ではなく「看護婦」と名称で呼ばれていました。それだけ看護のお仕事は女性が行うものというイメージが定着してたのです。看護には医療に関する知識や技術だけでなく、体力も求められるため男性が向いていない理由がありません。現在は男性の看護師も年々増加傾向にあり、10年前に比べて2.5倍にも増えています。

男性が看護師全体に占める割合はまだ1割未満ですが、体力が問われる分野(救急科、精神科など)、IT機器や医療機器の操作など男性の看護師の活躍が期待されるフィールドは多く、また男性の患者さんにとっても心身のデリケートな問題に関しては、同じ男性の方が相談しやすいというメリットもあります。

入院患者を担当する看護師の1日:2交代制を採用している総合病院の例
外科病棟を担当しています

午前8時前に病院に到着したら、先ず更衣室でナースウェアに着替えてナースステーションに入ります。勤務時間はまだ先ですが、電子カルテを見て、患者さんの病状や経過、検査の数値や医師から指示されている点滴や検査の内容を確認し、その日に行う仕事を進行表に書き留めます。

前日の夜勤担当の看護師から、日勤の看護師に対して、担当する患者さんの状態を報告するのが「申し送り」で、現在の勤務先では午前8時半に行われます。同様の情報は電子カルテで確認済みですが、細かい注意事項や医師からの指示は直接当事者から聞いたほうが頭に入ります。

申し送りが終われば、病棟の医師や看護師の代表らが出席して、患者さんの件数地やレントゲン写真などを見ながら最善の治療法を話し合う「カンファレンス」を行います。

医師と看護師がチームになって担当する患者さんの状態を一人一人確認して病棟を回るのが「回診」で、午前9時過ぎに始まります。ドラマ「白い巨頭」で、財前教授が大学病院の若手医師や看護師をズラりと引き連れて歩くシーンがありますが、あれですね。

例えば、医師が患者さんの手術後の状態を確認するためにパジャマをめくると、医療器具がギッシリ詰まった回診カートを押している付き添いの看護師は、処置に使う器具を医師が取りやすい方向にして準備します。医師が傷の状態を確認しながら患者さんと話をしている間に、消毒液やガーゼなどを準備します。看護師は患者さんの病状や状態を予め理解しておかないと、医師の動きが予測できず、必要な器具がスムーズに出せません。

患者さんが手術を行う場合、その内容や必要性、リスクなどを理解し、手術を受ける意思があることを同意書にサインしてもらうことが求められます。手術という選択肢が示された時点で、医師から説明がなされていますが、医師には直接聞きづらいという方も少なくなく、担当の看護師に質問することがあります。看護師は手術の内容や目的を分かりやすく説明し、不安を取り除くように務めます。

病院で働く看護師にとって手術は日常のありふれた1シーンですが、入院している患者さんの多くは初めての経験となり、実際にメスを体にいれるわけですから、不安感も決して小さくはありません。したがって、看護師はどのような検査や処置を行うのか、その目的はなんなのか、手術当日のスケジュールや手順、手術後どれくらい期間、安静でいなければならないのか、退院はいつになるのかといったことを丁寧に伝えなければなりません。

手術を控えて入院している患者さんは、自身の病気のこと、休職もしくは退職を余儀なくされた仕事のこと、経済的な不安など、さまざまな悩みを抱えています。看護師がそれらを全て解決することはできませんが、医療ソーシャルワーカーを紹介したり、患者さんの話に耳を傾けることで。不安を軽減するようにつととめます。

入院による病気の治療が必要な患者さんを病院を迎えるにあたっては、医師が中心となって病状の説明を行い、看護師は入院生活やケアについて説明を行います。患者や家族が入院生活で不自由し内容に、病院内の施設、面会時間、食事や入浴、病院の決まりなどを伝えます。

病棟の看護師が手術を受ける患者さんを手術室に送り届けたら、そこから先は手術室看護師の出番です。手術室で働く看護師には、主に手術器具を執刀医に手渡したり、器具を使って手術の補助を担当する「器械出し」と、手術前の不安を和らげるために患者さんに声をかけたり、手術記録の作成、家族への伝達などを行う「外回り」という2種類の仕事があります。器械出しの看護師は、手術の形式によって使用する器具や手順が全く異なるため、あらゆる診療科の手術をこなすためには大変な努力が必要です。

時間との戦いでもある命の最前線で、正確な知識、判断力、冷静さが要求される手術室での仕事は緊張の連続です。多いときには1日3件以上の手術を担当することもあるため、体力的にもハードです。しかし、それだけやりがいがある仕事ともいえます。

あらゆる診療科の手術の専門家を目指すことができますし、病棟へ配置転換になった後でも、手術中の状態や処置を詳しく理解しているので、最適な看護を提供することができます。

午後4時半に看護記録の入力と、夜勤を担当する看護師への申し送りを行い、日勤の看護師の仕事は終わりとなります。担当した患者さんの状態を記したメモを見て、バイタルサイン、食事量などを記録「進行表」が全て記入されているかを確認できたならば、患者さんの状態、どのような理由でどのような処置を行ったか、医師の指示、薬の変更の有無などを、他の看護師が見ても理解、利用できるように分かりやすくパソコンで入力します。

申し送りでは、夜勤担当者に、進行表を見てもらいながら、注意が必要な患者さんの病状、夜間の変化が予測される患者さんに必要な処置などを伝えます。

日々進歩する医療技術、疾患のガイドライン改訂、続々と上市される新薬、薬の効かない薬剤耐性菌の登場など、看護師は常に勉強が求められる仕事です。そこで最低週1回くらいのペースで、1時間くらいの勉強会を終業後に病院で行われます。そのほか医師や看護師が順番に発表が求められる勉強会もありますし、専門分野の学会・講習会にも出席しなければなりません。